クローン病から悪性リンパ腫への体験談-お便り140702


昨夜に投稿いたしました、クローン病初心者のなおやさんの記事

クローン病を宣告された方からの相談-クローン病 問い合わせ140701

に関しまして、シロイルカさんから励ましのお便りを頂きました。丁寧で貴重な体験談でもありますので若干の整形と補足は致しましたが、ほぼ原文のまま掲載させて頂きます。

クローン病からのリンパ腫を目の当たりにしました。

もちろんレミケードや免疫調整剤(免疫抑制剤)を使っている方が全てにあてはまるわけではありませんが、このようなケースもあるんだなと読んでいただければと。私も勉強になりました。



はじめまして。
シロイルカと申します。
IBD発症により悩まれている方の記事を読み、私の経験が参考になればと思い、メッセージをお送りします。

私のIBD歴は、
2006年 UC(潰瘍性大腸炎)の疑い(ペンタサ服用開始)

2009年 転院して初めてCF(大腸ファイバースコープ検査)を受けCD(クローン病)と診断(ステロイド服用開始、特疾申請認定)
同年  入院して消化器全般を検査、やはりCD(クローン病)の可能性有、しかしほぼ寛解状態に

2012年 毎年定期的にCF(大腸ファイバースコープ検査)を受けてきたが、強い再燃があり、イムランヒュミラを併用。しかし、ヒュミラ1本/2週では寛解導入に至らず、イムランレミケードに切り替え。

2013年 一時的に炎症が落ち着くも8週寛解維持が困難で、段階的にレミケードを増量し、数回を経て倍量投与に。倍量投与2回目にしてCRPが急上昇、微熱や倦怠感などの身体症状が出現してCF(大腸ファイバースコープ検査)。その結果、大腸にIBDではない深い潰瘍が見つかり緊急入院。検査により、免疫抑制剤、免疫調整剤の使用に伴って活性化したEBウイルスが原因の悪性リンパ腫(びまん性B細胞性大細胞型リンパ腫)と診断。

そして、今後、IBDが再燃した際の有効な治療法が無いこと、そして大腸の潰瘍が相当深くて抗がん剤治療により大腸腸管壁の細胞が欠落し腹膜炎となる可能性が否定できないことから、大腸全摘、回腸ストーマ(永久ストーマ)造設の手術を受けました。さらにその後、抗がん剤治療を受けています。

当然、入院やら治療に伴って仕事は休職となりましたが、幸い抗がん剤治療の3回目からは外来治療となり、仕事に復帰しています。

以下は私見ですが、

①仕事は余程の事がない限り辞めない方が良い

→残念ながら特疾や障害者になった後での再就職はかなり厳しいのが実情。私も悪性リンパ腫発症の告知を受けた時には辞職(と言うよりも休職期間満了による自然退職)に備えて生活の糧を得る手段を探しまくりました。が、現実は様々な社会保障を活用しても不充分と言わざるを得ません。今、職に就けていて、身体に大きな負担が掛かって病状が急速に悪化していないのならば、退職は最後の最後までしないに越したことはないと思います。

②まずはしっかり病気に向き合おう!

→私がIBDを発症した2006年に比べると参考になる書籍やネットの情報も大幅に増えています。まずは、主治医の先生と共に検査結果を精査して診断を確定させ、その上で主治医や患者仲間から正しい情報を聞いて、自分の治療方針について主治医と対等に考えられる様になれれば最良ですね。大変な事ですが、その方が私の様に万一副作用が出てしまった時にも、納得出来ないまでも受け入れやすくなる気がします。

③そしてゆっくりと自分を肯定しよう!

→自分の病気を受け入れるのは並大抵な事ではありませんよね。初めは誰しもショックと絶望感に支配されます。しかし長い時間を掛けて病気と付き合う内に、等身大の自分を肯定する事が出来る様になります。出来なくなる事より、出来る事を考えるようにすると楽になれます。

④医療の進歩を信じよう!

→ここ数年のIBDに関する医療の進歩はかなりのものです。新薬の開発も進んでいます。気長に病気と付き合う内に、今では想像すら出来ない画期的な治療が出てくると思います。

<最後に>
社会人、それも若手だと、なかなか病気が理由だとしても、休憩や休暇をとるのが難しかったりします。だから、まずは会社の就業規則を確認して、誰しもが認められている労働者の権利を確認しましょう。有休は? 病気に伴う休職は? 休職中の給与や税金、社会保険等々の負担は? 世の中、知らないと損する事が沢山あります。次に、身の回りの信頼できる仲間(同僚や出来れば直属上司)に病気のことを打ち明けておくと、万一の際には助けて貰えると思います。その際、病気だからと甘えるのではなく、何が出来て、どういう状況について配慮して貰いたいかをなるべく具体的に知らせておくことが大事です。何故なら、周りの人はIBDの何が辛いのか、どういう治療を受けるのか、そして「業務に与える影響は何か」が分からないのです。これはかなり重要です。

しかし、就業した状況で発症したのは不幸中の幸いです。会社は単純に病気を理由とした解雇は、原則的に出来ません。不十分かもしれませんが、万一の時には傷病手当金や失業給付、障害者年金等の受給可能性も出てきます。これからは特疾の制度も見直されて、自己負担額が高くなる様です。収入源をしっかり確保しておかないと、受けたい治療が受けられなくなる可能性もあります。

応援していますので、無理のない範囲で仕事と治療の両立が叶うことをお祈りしています。

以上、私からのメッセージです。長文、駄文にて、大変失礼致しました。もしご相談者の方にお伝え頂ければ幸いです。



以上、シロイルカさんからのメッセージを掲載いたしました。
シロイルカさん貴重な体験談どうもありがとうございます。


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