ラコールとエレンタールの違いかぁ
ラコールとエレンタールの違いは「味です!」と言うと話が終わってしまいますね。クローン病は消化器が炎症で冒される病気です。主に食事に密接な関係があり、刺激物はだめ!脂質や脂肪分はだめ!と言われていますが、コレ!と言う原因がわからないので難病に指定されています。食事を出来るだけエレンタールやラコールに置き換えることにより炎症をある程度コントロール出来ることもわかっております。よってクローン病患者はエレンタールやラコールのような経腸栄養剤と長いお付き合いになります。
クローン病はエレンタールが優先かな
クローン病ではエレンタールが主でラコールが従の関係です。エレンタールとラコールの大きな違いはエテンタールは成分栄養剤でラコールは半消化態栄養剤とです。エレンタールは消化も終わり成分にまで分解されているので消化管は吸収するだけで済むので胃や小腸の負担が極めて軽いので消化管の安静が期待できるわけです。反面、半消化態栄養剤は胃での消化は必要ありませんが、腸でタンパク質と脂質を消化する必要があります。よってクローン病患者は本来はエレンタール一択なわけです。
エレンタールの特徴
- 成分にまで分解されているのでクローン病患者にはぴったり
- 概ね小腸の上部で吸収されてしまうので腸の安静が保てる
- エレンタールの成分そのものに炎症を抑制する効果がある
- 勢いよく飲みすぎると下痢になる
- 勢いよく飲みすぎるのが癖になると脂肪肝になりやすい
- フレーバーを駆使しても味がイマイチ
- 脂質をほとんど含まないので長期間エレンタールだけでコントロールする場合は脂質を補給する手段が必要
- 水で溶かしたり等の調剤が必要
- 胃腸での消化を必要としない良い面と別に消化能力の低下があ
ラコールの特徴
- 脂肪分がバランスよく含まれており、その脂肪分も比較的クローン病には安全とされている
- 味はクリーミーでエレンタールよりは美味しいの評価が多い
- 腸管の消化機能を使うので腸管の安静を阻害する反面、消化能力の維持が期待できる
- 勢いよく飲みすぎると下痢になる
- 勢いよく飲みすぎるのが癖になると脂肪肝になりやすい
- 封を開けてコップに移し替えるだけなので容易
ラコールとエレンタールを織り交ぜる
クローン病にとってどちらの栄養剤がいいか?と言えばエレンタールに軍配が上がります。消化態栄養剤と成分栄養剤ではそれだけ炎症を持った腸管への影響の違いがあります。しかしエレンタールだけでは脂肪分が摂れないので、イントラリポスのような点滴で脂肪分を摂らなくてはなりません。(1回に4時間くらいかかってこれが面倒)このイントラリポスが非常に面倒で時間が非常にかかります。適度にラコールで脂質を補うことによりこのイントラリポス点滴を回避できる可能性があります。
よってエレンタールで1200Kcal ラコールで600Kcalと言う摂り方もあるので医師と相談して下さい。
決めてしまう必要はない
絶対にエレンタール!、絶対にラコール!と片方に決めてしまう必要はありません。ラコールとエレンタールの違いをよく理解して使い分けることも必要です。よく「ラコールを出さない医師がいる」と聞きますが、ラコールもエレンタールもクローン病患者への処方は保険で認められています。もし医師が頭の固いことを言ったら認めて頂けるまで冷静に会話をしましょう。「なぜ?出せないか?参考までにお考えを教えてください」とか「ラコールのクローン病に対する有効性の論文を見たのですがどのようにお考えですか?真っ向から反対ですか?」とか何故?何故?していると。「こいつめんどくさい奴だな」と思われればほとんどの場合、処方してくれます。
患者の反省すべき点は
私たちクローン病患者の反省すべき点は、折角、頂いたラコールやエレンタールを飲まずに積み上げて、消費期限が切れて捨ててまたもらうと言った医療費の無駄使いです。よくブログでも「捨ててます」って平気で書いている人がいますが。。ふざけんな!です。飲めないのなら最初からもらうな!って思います。でもそれをどうどうとブログでお披露目するってのも。。頭もクローン病に冒されたか?って思ってしまいます。
医師に無断で飲まずに捨てる。これだけは絶対に避けたいことです。「この患者は必要な時、必要な分だけ要求する患者だ」と思えば医師も安心して出してくれます。
潰瘍性大腸炎はエンシュアリキッドかラコールかな。
さすがに潰瘍性大腸炎の患者でエレンタールを飲んでいますって言うのは聞いたことがありませんね。だいたいはエンシュアリキッドの方が多いようです。でもエレンタールはそのほとんどが小腸の上部で吸収されてしまうので潰瘍性大腸炎の方でも腸を休めると言う目的ではエレンタールも良いかも知れないと思います。