なんか旅のブログになってしまっているので今日は炎症性腸疾患の話題をしましょう!
たまにはクローン病患者や潰瘍性大腸炎患者のお役に立つことを書きます。
2014年05月08日付日経産業新聞からのネタです。
エーザイと筑波大学はクローン病や潰瘍性大腸炎である炎症性腸疾患向けの新薬の共同開発を始めたと発表しました。(05/07)
リンパ球などの白血球が互いに接着したり、浸潤したりするのを抑制して、炎症を抑える化合物の開発を進める。
10年以内
10年以内に製造承認申請を目指すとのことです。10年か~少し長いな。私のような46歳なら長い!と思いますが、現在の10歳代や20歳代の人達にとっては希望の光が一つ増えたかも知れません。
開発薬の名前はE6007
E6007は細胞同士をくっつける働きがあるインテグリンというたんぱく質の働きを阻害して、炎症の原因となる白血球同士の接着などを抑えます。
化合物であること
この薬はレミケードやヒュミラのような生物製剤ではなくペンタサのような化合物です。よって不幸にもレミケードやヒュミラが効かない人や二次無効になってしまった人にも期待が持てるアプローチなのです。基本的にレミケードが効かない人はヒュミラも効かないことが多いです。ヒト型とキメラ型の違いはあれど同じTNF-αモノクローナル抗体だからです。
治療の選択肢
今回開発される新薬は米国で発売されたベドリズマブ(vedolizumab)とよく似たアプローチですね。
●2013年10月31日の投稿から
新薬vedolizumab米国で発売-クローン病・潰瘍性大腸炎新薬情報131031
近い将来はまず今回開発される新薬であるE6007で様子を見てそれでも緩解(寛解)しなければ
レミケードやヒュミラ。
もしかするとベドリズマブ(vedolizumab)が日本でも使えるようになっているかも?
確かに10年以内って気の長い話だな!って思ってしまうかも知れません。
でもよく考えてみましょう。
クローン病で使われている
古くはサラゾピリン(SASP)、ペンタサ(5-ASA)
最近はレミケードやヒュミラ。もともとこれらはリウマチの薬なのですよ。
別にクローン病や潰瘍性大腸炎の治療にために開発されたものではありませんでした。
でも今回は炎症性腸疾患としての開発です。
潰瘍性大腸炎患者14万3000人を超えた。クローン病患者も3万6000人を超えた。
そして年々増加傾向にある。そういった意味では薬の開発の重要度が高まったのかな?
早く臨床の場に出てくるようにですね。治療の選択肢が増えることはいいことです。